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    他ジャンル/ハリ/ポタ

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      シリスネ


      (ほっそいの)
       
      彼の第一印象はそれだった。
      女のように白い肌、華奢な体躯。
      野を駆けまわるでも外で友人と術の稽古をするでもなく一人黙々と室内で読書に没頭する暗い奴。
      薬草学の成績も呪文や呪い関係の術においてはトップクラス。
      スリザリンの嫌な奴。
      自分がスリザリンに入らなくてよかった、と胸を撫で下ろすくらいに嫌いだった。
       
      暗くてあまり喋らない奴は虐めの対象になりやすい。
      三年の頃からジェームズを中心にスネイプを虐め始めた。
      反応がおもしろい、というわけではない。
      やられてもやられても反抗心の宿るその瞳が加虐心を煽るのだ。
       
      そして、いつの間にかジェームズはスネイプに恋をしていたようだ。
      周りの三人はすぐに分かったがスネイプには伝わらず嫌われるばかり。
      その光景を見ていると少々痛ましくも感じるが同時に安心感も覚えていた。
       
      そう、彼もまた恋をしてしまったのだ。
       
      そういうことに関して無頓着というわけではなかったが男を好きになるということを受け入れたくなかったのだ。
      だからか、彼に対しては厳しい態度をとってしまう。
      そうしたいわけじゃない、と何度己の内で思ったことか。
      しかし思いは言葉にしなければ伝わるはずもない。
      ジェームズと同じく嫌われていくだけだった。
       
      「貴様らは何故、我が輩を虐める……。つまらんだろうに」
      「……」
       
      お前が悪い。とシリウスは言ってしまいたかった。
      後になって気づいたのだが、スネイプはかっこいいというよりも可愛いだ。
      雪のように白い肌、肌に映える生血のように赤い唇。
      男にしては長い睫毛に縁取られた丸い瞳。
      華奢な体躯で腕も細い。
      声変わりがまだなのかは分からないが男にしては高い声。
      そして、敵を見るような強い意志を宿した瞳。
      凄艶な者だ。
      暗い雰囲気のせいで誰も気付かないだけでずっと見れいればおのずと分かってしまう。
      だから見たいと思ってしまうのだ。
      その顔が屈辱に歪む様を。
       
      「お前が反抗するからだろ」
      「……反抗しなければ、」
       
      スネイプはシリウスの手をとり上目遣いで見やる。
       
      「お前らは我が輩を虐めないのか……?」
       
      すがるような声色に少し潤んだ瞳。
      じぃとこちらを見ている瞳には恐怖の色が微かに宿っていた。
      この手を振り払われたら、とでもスネイプは思っているのだろうか。
       
      「っ……それ、は。わかんねぇけど」
      「そうだな。お前らはそんなの構いやしないか。憂さ晴らしする相手がいればいいか」
       
      半分投げやりな口調だった。
      瞳は空を見るようにぽっかりと穴でも開いてしまったかのように寂しげだった。
      手を離し、スネイプは立ち上がる。
       
      「つまらんことを聞いたな」
      「どうにもなんねぇよ」
      「──馬鹿者」
       
      まっすぐに言われた言葉はそれだった。
      何かを期待するような声。
      少し驚いたのはシリウスのみで、スネイプは力なく笑っている。
      その理由を問いただそうと、スネイプの手をとろうとしたがその前にスネイプは足早に去って行ってしまった。
       
      「オレに、どうしろってんだよ……」
       
      助けて欲しいのか? このオレに。
      ジェームズと一緒になって虐めている奴に、希望でも見出したのか?
      あのすがるような声はなんだ。期待がこもっていた瞳はなんだ。
      何と返せばお前は笑ってくれたんだ。
      どうにも、ならないじゃないか。
      どうしろ、と。
       
      シリウスの心中は後悔ばかりだった。
       
      後にジェームズとスネイプが仲良さそうに手を取り合い微笑んでいるのを見ても湧きあがるのはほんの少しの
      憎悪と後悔だけだった。
       
      (あの時、お前を見てやればオレもお前も助かったというのか……?)

      end
      ヘタレシリウス\(^O^)/

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